2014年5月23日金曜日

基礎自治体は長期優良を上乗せ評価

 8%消費税率適用を待っていたように、2014年の4月から申請が好調な住宅支援制度があります。最大30万円が支給される「住まい給付金制度」受付事務機関によると、立ち上がりの4月から申請が増加しているのだそうです。住まい給付金には年収制限が設けられており、8%税率では510万円まで、10%税率に上がると給付金は50万円、年収制限は735万円まで引き上げられます。8%消費税率引き上げでは、住まい給付金と住宅ローン減税拡大で、増税前後の損得がつかないほどに税負担は緩和されます。しかし次の増税時期の1年半後までに、収入が510万円から735万万円に上がる勤め人はごくまれでしょうから、一次取得層向け住まい給付金効果はこの1年半に限定されると思われます。

 住まい給付金とローン減税をフルに利用して、消費税負担を最小限に抑える方法があります。
 
 土地代別で建物価格1000万円の中古住宅を不動産仲介を使って購入すると建物部分には消費税がかかりまません。そして1000万円の予算で長期優良住宅リフォーム工事を行うと80万円の消費税額となるため、2000万円の新築住宅に比べ半分の負担で済みます。中古住宅を全面リフォームし、新たな住宅に生まれ変わらせるリノベーションというスタイルが注目されはじめてきています。リノベーションをしても中古住宅のイメージは拭いがたいものがありました。平成26年の長期優良住宅化リフォーム補助事業が始まりましたが、平成27年内には既存住宅長期優良化基準が策定される運びになっています。

 長期優良住宅の建築計画の許認可権を持つ基礎自治体は、認可を降ろさないケースも出てまいります。『建築計画が都市計画道路等の予定地にかかってい場合、将来の移転補償費用に長期優良住宅の価値増加分が上乗せとなるため』という理由でした。

 長期優良住宅認定が金銭で測れる価値評価につながる時代がすぐそこまで来ております。6月第1週、東京、仙台、福岡で開催される「長期優良住宅化セミナー」は参考となる情報がふんだにに提供されます。

2014年5月22日木曜日

建築技術連載開始

 日本ホウ酸処理協会理事で、日本ボレイト株式会社代表取締役浅葉健介が月刊建築技術に記事連載することになりました。原稿掲載の経緯としては、設計事務所の建築士さんの防腐、防蟻に関する情報が古くなっており、、編集長は情報更新の重要性をすぐに気づかれたからです。
 第一回原稿を読んでみて気がついたことが沢山ありました。木材には耐久性の高い樹種と
低い樹種があります。耐久性の高いヒノキやヒバは防腐、防蟻処理をしなくとも、土台に使用することができます。ところがアメリカカンザイシロアリだけはヒノキが大好きで思い切り食害されます。
 はたまたコストメリットで評価の高いホワイトウッド集成材も蟻害されやすい製品として知られる
ようになりました。ホワイトウッドの生産地の東欧、北欧には地下シロアリはが存在しません。日本に持ってくると日本にいるシロアリにやられてしましいます。15%まで乾燥させたラミナで集成されるホワイトウッドはムク材より本来は強いはずなのですが。木材とシロアリの関係だけではなく、木材研究の分野でも木材保存とシロアリ防除では位置づけが全く異なります。木材保存学会があり、木材保続学なる学問体系が確立している木材保存に比べ、防蟻分野は大きく立ち遅れているのです。木造住宅の劣化対策は横断的、複合的に実施しなければ効果が上がってきません。
住宅性能表示制度でも、劣化対策等級は定められておりませんでした。
長期優良住宅化リフォーム補助事業が始まり劣化対策が必須綱目となったことからも、既存
住宅の劣化対策が重要視される環境に変わってきました。ホウ酸の伝道師から劣化対策のメンターとして活動域を拡大中の浅葉氏の原稿連載を楽しみにしています。
































2014年5月7日水曜日

あっぱれ魂消る耐震性能

 連休中日の5日早朝に東京では東日本大震災以来3年ぶりの震度5クラス地震が起きました。
ご近所さんも落ち着いたもので、どなたも外に飛び出された方はおられません。日本人の価値観
を変えるであろうとまでいわれた東日本大震災も、過ぎてしまえば防災の備えは緩くなります。
 スペース狭いマンションなどでは真っ先に、汲み置き水が撤去されました。2011年は毎日のように注視していた放射線も、今日では神経をとがらせる人は少なくなりました。2013年改正の耐震改修
促進法では、耐震診断と改修工事助成の対象は公共性高い建物へと移り、個人住宅は自己責任
へ戻ったようです。
 しかし東日本大震災以降大きく変化した地震想定研究では、東海、東南海の被害想定は大きく
跳ね上がり160兆円とされおります。東日本大震災で支払われた地震保険金約1兆2000億円から
計算すると、国が特別会計で積み立てている地震再保険5,5兆円ではとても足りません。
 地震保険は総填補額を超えた場合、保険金は比例分配となり減額されます。
つまり地震に対する備えは、固いうえにも固く、構造の余力も過剰なくらいでもおおげさではないのです。さして参考にすべき点の無いハウスメーカーですが、プレハブ最大手の住宅メーカーの
耐震基準の目指すレベルには思わず唸ってしまいました。このメーカーは阪神・淡路級のマグニチュード7,2の震度に対してクロスに皺がよってはいけないとしています。性能表示耐震等級2の軽微な損傷と比べると、その差は大きなものがあります。軽微な損傷には、地震保険で5%の保険金査定となる一部損傷も含まれるため、クロスの皺程度では済まされない被害となるのです。
 もう一度阪神、淡路大震災で経験した教訓に立ち返り、木造住宅劣化対策に本腰を入れるべきではないでしょうか。5月14日から開催される「長期優良住宅化リフォーム」セミナーは、隗よりはじめる好機となることと思います。



















 
























2014年5月1日木曜日

シロアリ保険



 今ドラッグストアの店頭の一番目立つ場所には、防虫剤や殺虫剤がずらりと並んでいます。
殺虫用スプレーや、ゴキブリほいほい、アリころりなど、衛生害虫、不快害虫の発生シーズンが
到来したのです。それにしてもあのでかい殺虫剤のスプレー缶は一体何年分使うんだと突っ込みたくなるほど容量が大きいとは思いませんか。どこの家庭でも使い残しの殺虫剤は転がっているはずでが、ゴキブリの遭遇には不思議と見つからず、苦々しい思いで再購入するのです。恐るべしゴキブリパワー。
 生活者にとりさらに忌々しい害虫がシロアリです。自分では処理できず専門会社に駆除を依頼するので費用が嵩みます。シロアリ保険があれば助かるのにと思われる生活者も少なくはないでしょう。シロアリ保険は金融庁が商品認可した保険種目として確かに存在するのでが、保険引き受け環境は非常に厳しい状況が続いています。蟻害が多発して保険金支払いが増大し保険会社が嫌がっているというわけではありません。過去に不心得なシロアリ駆除会社が保険を乱用、不正請求したことで、保険会社が一番忌み嫌うモラルハザードが起きてしまいました。保険会社からシロアリ業界全体に不信感を持たれてしまいました。保険とは偶発的、突発的な事故を金銭で補う仕組みです。地震、雷、火事、おやじ(の癇癪)はいつ何時起こるかわかりません。
耐震工法や避雷針、防火構造のような対策を施したとしても、偶発的、突発的に発生する事故の全てを防ぐことはできません。シロアリのような動物危害も、充分な予防措置をした上で発生する
事故については保険で救済されることが望ましいあり方であると思います。