2015年10月16日金曜日

太陽光パネルが大水災の原因となる皮相

 日本ホウ酸処理協会では、さる10月8日常総市水害の復旧ボランティアに行ってまいりました。ホウ酸は防蟻効果に兼ね防腐効果も有しています。床上浸水した木造住宅のカビの除去と防腐効果の検証目的も合わせ施工を行いました。

「関東・東北豪雨」と名付けられた9月9日~9月11日の水災は、茨城、栃木、宮城の3県に大きな被害を発生させました。中でも鬼怒川の堤防が越水した常総市では市内1/3の面積が冠水し、床上浸水だけでも4000世帯が被災しました。今回施工した常総市本石下に所在するS様邸は西側の鬼怒川と東側の小貝川に挟まれた場所にあり、暴れ川と呼ばれる小貝川の氾濫で過去幾度も冠水は経験されておられます。地域の古老の記憶でも鬼怒川の越水は今回は初めての事態でまた最大級の被災ということです。
 
S様邸は昭和3年建築、延床面積250㎡の古民家のたたずまいです。延床面積が大きなだけにおよそひと月経過後も後片付けは続いていました。あたり一帯に消毒用の消石灰が撒かれ、外壁には浸水水位の跡がはっきりと残っていました。S様邸は床上27㎝まで浸水した屋内の床板と内壁の一部を剥して乾燥状態にされておられました。今回は冠水した木部のカビの除去と防腐を目的として処理を行いました。20%水溶液に殺菌剤を混入し土台、大引、束などに噴霧します。母屋床下を施工を担当した玉井工事部長のレポートでは木部に緑色のカビを発見しました。斎藤さんは所有されている2町9反の米作の2/3が冠水し、トラクター等の農機具も被害を受けられています。被災者生活再建支援法の認定を受けられれたことがせめてもの慰めでした。

 関東・東北豪雨の水害原因は鬼怒川の若宮戸地区の堤防が越水したことによります。越水箇所堤防近辺の私有地にメガ―ソーラー設置の整地工事が行われたことから、地域住民は集団訴訟を起こしています。東日本大震災以降の電力不足は収束した後も、日本の二酸化炭素削減取組みの有力な手法としてメガソーラー発電施設の開設は続いています。
 今日地球温暖化が誘因となり風水害の自然災害が巨大化しています。原因を解決するための手段であるメガソーラーの設置が大水害の引き金を引いた大きな皮肉を感じざるを得ません。もともと二酸化炭素排出量削減は名分に過ぎず、実態は金融商品化しているメガソーラー事業の本質も露わにした水害の威力に衝撃を受けた訪問でした。